道路工事、建物工事に伴う足場・作業車の使用、祭りの露店、チラシ配布、撮影などで道路を通常の通行以外の目的に使用する場合、道路使用許可が必要になることがあります。
道路使用許可で重要なのは、申請書を提出することだけではありません。道路幅員、歩行者の通行経路、作業車や警備員の配置などを図面で示し、交通の安全と円滑を確保できる計画にする必要があります。イベントや交通規制を伴う計画は、内容の調整に時間がかかることもあるため、実施日から逆算して早めに管轄警察署へ相談しましょう。
本記事では、福岡市・糸島市周辺で道路使用許可を申請する方に向けて、許可が必要となる主なケース、申請先、必要書類、手数料、標準処理期間、道路占用許可との違いを、2026年8月21日時点の公表資料に基づいて整理します。
※道路の場所、使用方法、時間帯、交通への影響などによって判断や必要書類が異なります。実施前に、道路を使用する場所を管轄する警察署へご確認ください。
道路使用許可の要点
| 申請先 | 道路を使用する場所を管轄する警察署の交通課 高速道路・都市高速道路は高速道路交通警察隊 |
|---|---|
| 窓口受付時間 | 平日9時から16時まで(休日・年末年始を除く) |
| 申請手数料 | 1申請につき2,400円(福岡県領収証紙) |
| 提出部数 | 申請書類2部 福岡県 申請書様式(Word)へのリンク |
| 標準処理期間 | 7日以内(行政庁の休日を除く) ただし、道路管理者との協議、他の警察署長との協議、 交通規制の手続が必要な場合は、それぞれに要する期間が加わります |
| オンライン申請 | e-Govから申請可能。 対象・受取方法等は事前に確認 |
上記は福岡県警察の公表内容です。大規模イベント、映画撮影、交通規制を伴うものなどは、十分な時間的余裕をもって事前相談するよう案内されています。
参考:福岡県警察「道路使用許可申請手続き」/福岡県警察「道路使用許可の審査基準」
道路使用許可が必要になる4つの区分
道路交通法第77条第1項は、道路使用許可の対象となる行為を大きく4つに区分しています。
| 区分 | 対象行為 | 福岡県内で想定される例 |
|---|---|---|
| 1号許可 | 道路で行う工事・作業 | 道路工事、マンホール作業、建築・解体工事に 伴う道路上の作業、作業車や資機材を使用する作業など |
| 2号許可 | 工作物等の設置 | 足場、朝顔、仮囲い、広告板、アーチ、横断幕など |
| 3号許可 | 場所を移動しない露店等の出店 | 祭礼等に伴う一時的な露店・屋台など |
| 4号許可 | 福岡県公安委員会が定める行為 | 祭礼行事、デモ行進、パレード、車両放送、 交通頻繁な道路での印刷物配布など |
これは代表例です。撮影、サンプリング、街頭アンケート、イベントなども、実施方法や交通への影響によって許可対象となることがあります。反対に、道路上で行う行為のすべてが直ちに道路使用許可の対象になるわけではありません。日時、場所、使用範囲、参加人数、車両の有無などを示して確認します。
根拠法令:道路交通法第77条・第78条(e-Gov法令検索)
許可の判断で確認されること
道路使用許可は、申請すれば必ず認められるものではありません。道路交通法第77条第2項では、申請内容が次のいずれかに該当する場合に許可する仕組みとされています。
- その行為が現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき
- 許可条件を守ることにより、交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき
- 交通への影響はあるものの、公益上または社会慣習上やむを得ないと認められるとき
そのため、図面には作業場所だけでなく、残りの道路幅、歩行者通路、カラーコーン・資機材・車両・警備員の配置などを具体的に示すことが重要です。必要に応じて、実施時間の短縮、通勤通学時間帯の回避、警備員の増員、迂回経路の設定などを検討します。
道路使用許可と道路占用許可の違い
| 手続 | 主な目的 | 申請先 |
|---|---|---|
| 道路使用許可 | 道路上の工事・作業・露店・イベント等について、 交通の安全と円滑の観点から審査する | 使用場所を管轄する警察署長 |
| 道路占用許可 | 道路に工作物・物件・施設等を設け、 継続して道路を使用することについて、 道路管理の観点から審査する | 国・県・市など、その道路の道路管理者 |
例えば、建物工事の足場や仮囲いを道路上に設置する場合は、道路使用許可と道路占用許可の両方が必要になることがあります。どちらか一方を取得すれば足りるとは限りません。

両方の許可が必要な場合、福岡県警察は、各申請書を所轄警察署長または道路管理者の一方の窓口へ一括して提出できると案内しています。ただし、書類の訂正や不足がある場合などは、改めて各窓口へ出向くことがあります。
道路占用許可の窓口は、道路の管理者によって異なります。福岡市道については各区役所の維持管理課等、糸島市道については糸島市建設課窓口です。国道・県道は管理者が異なる場合があるため、路線名と使用場所を基に確認してください。
参考:福岡市「道路の占用と占用手続き」/糸島市「道路の占用許可申請について」

福岡市・糸島市の申請窓口
道路使用許可は、申請者の住所や会社所在地ではなく、実際に道路を使用する場所を管轄する警察署へ申請します。
- 福岡市内:中央・博多・東・南・早良・城南・西・博多臨港・福岡空港警察署など、使用場所を管轄する警察署
- 糸島市内:原則として糸島警察署
- 高速道路・都市高速道路:高速道路交通警察隊
福岡市内は同じ区内でも場所や道路によって管轄確認が必要な場合があります。申請前に所在地を伝えて確認するのが確実です。
道路使用許可申請の流れ
道路を使用する目的、所在地、使用範囲、日時、参加人数、車両・資機材の有無、交通規制の必要性などを整理します。工事やイベントの計画が固まっていない段階でも、影響が大きい場合は早めに相談してください。
位置図や計画図の案を示し、道路使用許可の要否、許可区分、必要書類、安全対策、申請時期を確認します。道路占用許可、通行禁止道路通行許可、駐車許可など、別の手続が問題になる場合もあります。
申請書には、使用目的、場所、期間、方法・形態、現場責任者などを記載します。申請書と添付書類は2部作成します。
窓口申請の場合は、平日9時から16時までに、道路使用場所を管轄する警察署の交通課へ提出します。申請手数料は1申請につき2,400円で、福岡県領収証紙により納付します。領収証紙の購入場所と受付時間は、福岡県の売りさばき所一覧等で事前に確認してください。
標準処理期間は7日以内(行政庁の休日を除く)ですが、道路管理者との協議、他の警察署長との協議、交通規制の手続が必要な場合は、その期間が加算されます。不備の補正に要する時間や、大規模イベント等の事前調整期間も考慮して、余裕を持って申請しましょう。
許可証の交付を受けたら、使用日時、範囲、安全対策、警備員配置などの許可条件を確認し、現場責任者や作業員へ共有します。許可証の現場での取扱いについては、交付時の案内や個別の許可条件に従ってください。許可内容に変更が生じる場合は、自己判断で変更せず、事前に管轄警察署へ確認してください。
主な添付書類
福岡県警察は、共通資料として道路使用場所付近の見取図などを挙げています。具体的な添付書類は申請内容により異なります。
| 区分 | 主な資料例 | 図面で示す内容 |
|---|---|---|
| 共通 | 付近見取図、過去の許可情報(該当する場合) | 使用場所・区間、周辺道路との位置関係 |
| 1号許可 | 現場見取図 (交通保安対策図等) | 道路の幅員、歩行者通行路の幅員等、 道路の状況や安全対策状況が確認できるもの |
| 2号許可 | 設置状況図等 (平面図、立面図等) | 具体的な設置位置、道路幅員等、設置時の状況が分かる書類 |
| 3号許可 | 設置する場所の見取図 (平面図等) | 具体的な出店位置、道路幅員、設置する形状等が確認できる書類 |
| 4号許可 | 配布する場所の見取図 (配置図等) | 道路使用時の状況が具体的に疎明できるもの |
※上記は福岡県警察の申請書記載例より


警察署長が審査に必要と認める追加資料を求めることがあります。公式資料も「等」として例示しているため、すべての申請で同じ書類が必要になるわけではありません。
参考:
道路交通法施行規則第10条(e-Gov法令検索)/福岡県警察「道路使用許可申請手続き・記載例」
オンライン申請について
福岡県警察では、道路使用許可申請がオンライン申請の対象に含まれています。2025年12月15日以降は、デジタル庁のe-Govから手続できる旨が案内されています。なお、福岡県警察の案内では、オンライン申請の場合も手数料は警察署窓口等で支払う取扱いです。
ただし、申請内容によってオンライン申請の対象・添付方法・許可証の受取方法等が異なる可能性があります。初めての申請や、交通規制・道路占用を伴う案件では、申請前に管轄警察署へ相談することをおすすめします。
参考:福岡県警察「オンライン申請一覧」/福岡県警察「オンライン化対象手続一覧」
よくある質問
引っ越しや荷下ろしで道路に車を止める場合も道路使用許可が必要ですか?
車両を止めて貨物の積卸しや引っ越し作業を行う場合、道路使用許可ではなく駐車許可の対象となることがあります。福岡県警察は、駐車許可の対象となる用務例として「貨物の積卸し、引っ越し作業など」を挙げています。ただし、駐車許可の要件には「道路使用に該当する用務でないこと」も含まれます。作業帯や機材を道路上に設けるなど道路交通法第77条第1項の行為を伴う場合は、道路使用許可の要否も別途確認が必要です。駐車場所、作業方法、所要時間等を管轄警察署へ伝えて確認してください。
チラシ配布には必ず道路使用許可が必要ですか?
福岡県警察は、福岡県公安委員会が定める代表例として「交通頻繁な道路における印刷物等の配布」を挙げています。すべての配布行為を一律に判断せず、場所、人数、配布方法などを管轄警察署へ伝えて確認してください。
道路で写真や動画を撮影する場合はどうですか?
道路上で行う撮影のすべてについて、一律に同じ判断となるわけではありません。道路交通法第77条第1項第4号は、ロケーション等のうち、一般交通に著しい影響を及ぼすような方法で道路を使用する行為等で、公安委員会が定めたものを許可対象としています。撮影場所、日時、規模、道路の使用方法、交通への影響などを示して、管轄警察署へ確認してください。
道路占用許可も必要な場合、別々の窓口へ提出しますか?
両方の許可が必要な場合は、道路使用許可申請書と道路占用許可申請書を、所轄警察署長または道路管理者の一方の窓口へ一括提出できます。ただし、道路管理者の確認や書類補正のため、各窓口への対応が必要になることがあります。
許可が出るまで何日かかりますか?
福岡県警察が公表する標準処理期間は、行政庁の休日を除いて7日以内です。ただし、道路管理者や他の警察署との協議、交通規制の手続に要する期間は加算されます。また、申請前の相談や書類作成、補正に要する期間は別に見込む必要があります。
許可内容や現場責任者が変わった場合はどうしますか?
変更内容によって、道路使用許可証の記載事項変更届または新たな申請が必要となる可能性があります。変更前に許可を受けた警察署へ確認してください。許可証を亡失・滅失した場合には再交付申請の手続があります。
福岡市・糸島市周辺の道路使用許可申請をサポートします
道路使用許可では、申請書だけでなく、現場状況と安全対策を第三者が理解できる図面・資料を整えることが重要です。都留行政書士事務所では、福岡市・糸島市周辺の道路使用許可について、次のようなご相談に対応します。
- 予定している行為に道路使用許可が必要か整理したい
- 管轄警察署への事前相談に必要な情報をまとめたい
- 申請書、位置図、交通保安対策図などの準備を依頼したい
- 道路占用許可も含めて必要な手続を整理したい
- 工事やイベント準備に集中するため、申請手続を任せたい
お問い合わせの際は、分かる範囲で次の情報をお知らせください。
- 道路を使用する場所
- 使用予定日・時間帯
- 工事、足場、露店、イベント、撮影などの実施内容
- 使用範囲、車両、資機材、参加人数
- 道路占用許可申請の予定・状況
- 位置図、現場写真、既存の計画図等の有無
※許可の可否・許可条件は管轄警察署長が審査・判断します。当事務所が許可取得や特定日までの処理完了を保証するものではありません。案件の内容により、道路管理者、施工業者、警備会社、イベント主催者等との調整が必要になる場合があります。


