メルカリ、ネットオークション、リサイクルショップなどで中古品を売るとき、すべての人に古物商許可が必要になるわけではありません。
判断のポイントは、単に「中古品を売るか」ではなく、古物を買い受けるなどして、営利目的で反復継続して行う「営業」に当たるかです。
古物営業法は、古物を売却することだけを行う場合を古物営業から除外しています。そのため、自分で使用していた物を整理のために売るだけであれば、通常は古物商許可の対象になりません。一方、中古品を仕入れ、営利目的で反復継続して販売する場合は、古物営業に該当し、許可が必要となります。
ただし、許可の要否は、仕入方法、取引の継続性、営利性などの実態により個別具体的に判断されます。
この記事では、古物商許可が必要になりやすいケース、不要となる代表例、「古物」の意味と13区分を、2026年8月23日時点の法令・警察庁資料に基づいて整理します。
結論|仕入れて売るなら許可が必要になる可能性が高い
| 取引の例 | 許可の考え方 |
|---|---|
| 自分で使用していた衣類・家電などを整理のために売る | 通常は古物商許可の対象ではありません |
| 中古品を仕入れ、利益を得る目的で繰り返し販売する | 古物商許可が必要になる可能性が高い取引です |
| 中古品を買い取り、修理・清掃して販売する | 古物商許可が必要になる可能性が高い取引です |
| 他人から中古品の販売を委託され、継続的に販売する | 古物商許可が必要になる可能性があります |
| メーカー・卸売業者等から新品を仕入れ、一般消費者へ販売する | 仕入れた商品が古物に該当しない限り、古物商許可の対象ではありません |
| 未使用品を個人から仕入れて販売する | 未使用でも、一般消費者が使用・贈答目的で購入した後の物は 古物に該当するため、許可が必要になる可能性があります |
※許可の要否は、取引の名称や利用するサービスだけでは決まりません。仕入方法、取引回数、営利性、販売方法等を含む実態により個別に判断されます。
古物商許可とは
古物営業法は、盗品等の売買を防止し、盗品等を速やかに発見するため、古物営業について必要な規制を定めています。
同法上、古物を売買・交換し、または委託を受けて売買・交換する営業を行う場合は、原則として都道府県公安委員会の許可が必要です。許可を受けてこの営業を行う者を「古物商」といいます。
無許可で古物営業を行った場合には、古物営業法第31条により、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となります。
「古物」とは中古品だけではありません
古物営業法第2条第1項は、古物をおおむね次の3つに分けて定義しています。
- 一度使用された物品
- まだ使用されていなくても、使用する目的で取引された物品
- これらの物品に、本来の性質や用途を変えない範囲で手入れをしたもの
したがって、未使用品であっても、一般消費者が自己使用や贈答の目的で購入した後に売却する物は、古物に該当することがあります。「未開封だから新品扱いで、古物ではない」とは限りません。
一方、社会通念上、本来の使用目的で使えなくなった物(客観的判断)は、原則として古物に該当しません。ただし、希少性や鑑賞価値がある場合などは、古物に該当する可能性があります。
メルカリやネットオークションで売る場合
メルカリやネットオークションを利用しているという理由だけで、直ちに古物商許可が必要になるわけではありません。
自分の不用品を売る場合
自分で使用していた物や、自己使用のために購入した物を整理のために売却するだけであれば、通常は古物商許可の対象ではありません。
転売目的で仕入れる場合
中古品を仕入れ、利益を得る目的で反復継続して販売する場合は、本業・副業を問わず「営業」と判断される可能性があります。実際に毎回利益が出ているかだけでなく、一連の取引を全体として見て利益を上げ得るものかどうかも、営利目的があると認められる要素となります。
回数だけで一律には決まりません
警察庁の解釈運用基準は、古物営業への該当性について、取引の実態や営利性等に照らして個別具体的に判断するとしています。「月に何件までなら不要」といった一律の基準は、確認できません。
判断に迷う場合は、仕入先、販売予定品、販売方法、取引頻度を整理し、営業所を置く予定地を管轄する警察署へ事前に相談してください。
古物の13区分
古物営業法施行規則では、取り扱う古物を次の13区分に分類しています。
| 1 | 美術品類(書画、彫刻、工芸品等) |
| 2 | 衣類(和服類、洋服類、その他の衣料品) |
| 3 | 時計・宝飾品類(時計、眼鏡、宝石類、装身具類、貴金属類等) |
| 4 | 自動車(その部分品を含む。) |
| 5 | 自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部分品を含む。) |
| 6 | 自転車類(その部分品を含む。) |
| 7 | 写真機類(写真機、光学器等) |
| 8 | 事務機器類(レジスター、タイプライター、計算機、謄写機、ワードプロセッサー、ファクシミリ装置、事務用電子計算機等) |
| 9 | 機械工具類(電機類、工作機械、土木機械、化学機械、工具等) |
| 10 | 道具類(家具、じゅう器、運動用具、楽器、磁気記録媒体、蓄音機用レコード、 磁気的方法又は光学的方法により音、影像又はプログラムを記録した物等) |
| 11 | 皮革・ゴム製品類(カバン、靴等) |
| 12 | 書籍 |
| 13 | 金券類(商品券、乗車券及び郵便切手並びに古物営業法施行令に規定する証票その他の物をいう。) |
申請時には、営業所ごとに取り扱う区分を記載し、そのうち主として取り扱う区分を1つ選びます。商品名だけで区分を判断しにくいこともあるため、販売予定品を具体的に整理しておくと相談が進めやすくなります。
許可を取った後にも守るべきルールがあります
古物商許可は、取得すれば手続がすべて終わる制度ではありません。営業方法に応じて、営業所の管理者の選任、標識の掲示、相手方の確認、取引記録の作成・保存、ウェブサイト上の許可情報の表示、変更届などが必要になります。
取り扱う物品や取引金額によって本人確認・帳簿記載の取扱いが異なる場合もあるため、許可取得後の運用まで見据えて準備することが重要です。
福岡県で古物商許可を申請する方へ
許可が必要と判断される場合は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署を通じて申請します。福岡県での申請先、必要書類、19,000円の手数料、標準処理期間については、次の記事で詳しく説明しています。

申請前の整理から行政書士へ相談できます
「自分の取引に許可が必要か」「自宅を営業所にできるか」「どの古物区分を選ぶか」「インターネット取引について何を申請書に記載するか」など、古物商許可は事業内容を整理してから申請する必要があります。
都留行政書士事務所では、福岡市・糸島市周辺で古物商許可申請のご相談を承っています。事業内容と営業所の状況を確認したうえで、必要書類の案内、申請書作成、警察署への申請をサポートします。


