公正証書についてご説明

遺言・相続

公正証書の作成について、そのメリット作成方法をご説明

公正証書という言葉をお聞きになったことはありますでしょうか?例えば、例えば遺言におきましては公正証書遺言など、公正証書という言葉が使われる遺言の方式がございますが、今回はその「公正証書」についてご説明いたします。

公正証書とは?

公正証書とは公証人が私人のためにその権限に基づいて作成する公文書のことです

公正証書とは、私人(個人や法人)の依頼により公務員である公証人がその権限に基づいて作成する公文書のことです。公証人は法務大臣から任命された法律のプロフェッショナルです。その公証人が作成した文書は、法律的に極めて強い力をもつ文書となります。

公正証書を作成するメリットは?

文書を公正証書として作成するとどのような利点(メリット)があるのでしょうか?

一般的に公正証書には大きく以下3点のメリットがあると言われています。

  • 強力な証明力
    公的文書として扱われるため、文書の成立について真正であるとの強い推定が働き、裁判等になった際も有力な証拠となり得ます。
  • 強制執行力
    債務履行(離婚時の慰謝料・養育費等含む)等について、強制執行の文言を入れることにより、裁判を起こすことなく給与や預金などの財産を差し押さえることができる場合があります。
  • 安全性と確実な保管
    原本は公証役場で長期間厳重に保管されるため、紛失や改ざんのリスクがありません。
どんな時に公正証書を作成するのか?

法律的に公正証書での文書(契約書等)作成が必須となる場合と、ご自身の安心のためになど作成が望ましい場合とがあります

公正証書が必須のもの(例)

  • 事業用定期借地権設定契約
    専ら事業の用に供する建物を所有する目的で存続期間を設定し土地を貸し借りする契約(借地借家法第23条第3項)
  • 任意後見契約
    将来判断能力が不十分になったときに備えて、あらかじめ支援者と支援内容を決めておく契約(任意後見契約に関する法律第3条)

公正証書が望ましいもの(例)

  • 離婚協議
    財産分与・親権・養育費・慰謝料等の取り決め 取り決めが履行されない事態への備え
  • 金銭の貸し借り(金銭消費貸借契約)
    確実な返済を担保し万が一の際の回収に対する備え
  • 遺言書の作成(公正証書遺言)
    相続発生後、家庭裁判所での「検認」手続きが不要となり、偽造・変造の疑いも生じないため

離婚協議について補足いたしますと、国内では毎年18万組前後の離婚が発生しており、そのうち、慰謝料や養育費の未払い等の離婚後トラブルの発生は決して少なくはありません。離婚自体は届出を出せば成立してしまうので、何の備えもなければ後日このうようなトラブルが発生する可能性は否定できません。しかしながら、公正証書として離婚協議書を作成し条件等を明確にしておけば、言った言わないのトラブルを防ぎ、万が一の事態に対しても法的に強い強制力をもって対処することが可能になります。

公正証書の作り方

公正証書は公証役場で作成します。作成者ご本人または代理人が公証役場に行き公証人に作成してもらいます

遺言等、一部の公正証書作成につきましては、代理人不可となっています。

公証役場について

公証役場は全国に300か所あります。ご自身にとってご都合がいい(自宅に近い、職場に近いなど)公証役場を訪問し、公正証書を作成します。

公証役場一覧 | 日本公証人連合会

具体的な進め方

公正証書の作成は以下のようなステップで進めていきます。

公正証書作成の進め方
  • Step①
    原案の作成

    当事者間で合意内容を整理し、証書のベースを固めます

  • Step②
    必要書類の収集

    本人確認書類(印鑑登録証明書と実印、または顔写真付き身分証など)、戸籍謄本、不動産の登記事項証明書など、証書を作成するにあたり必要な書類を集めます

  • Step③
    公証役場との事前打ち合わせ

    原案と必要資料を持参し、公証人と内容や法的文言の調整を行います(事前に電話等での予約が必要です) 

  • Step④
    作成当日

    予約した日時に当事者(または代理人)が公証役場に出向き、公証人が内容を読み聞かせて確認します。内容に間違いがなければ署名・押印を行い正本・謄本の交付をうけます。

作成にかかる費用は?

公正証書作成の手数料は、契約や法律行為に関するものについては、原則その目的価額により定められています

金銭消費貸借契約や遺言など、金額が明確になる契約や法律行為については、その金額ごとに手数料が定められています。(例)500万円を超え1,000万円以下の場合は20,000円
また、金額が明確ではないあるいは金額の概念が存在しないものについては、固定金額での手数料が設定されています。(例)任意後見契約公正証書の手数料:1万3000円(1契約)

公正証書の手数料 | 日本公証人連合会

以上、公正証書についてのご説明でした。もっと詳しくお知りになりたい方は、以下のサイトをご覧ください。

出典:日本公証人連合会ホームページ

公正証書作成におきましては、行政書士は依頼者のご意向を法的に整理し、公証人との架け橋となる役割を担います。証書原案の作成サポートや、必要書類の取得代行、公証役場との調整、証人や代理人としての立ち会いなどを行います。円滑な公正証書作成のために、ぜひ行政書士の活用をご検討ださい。