相続:遺言の方式

FP(相続)

本記事はFP2級資格受験対策として書いています。

今日は遺言について説明させていただきます。

遺言とは、自分の死後、財産の分け方や家族に対する意思を法律的に残すための文書です。遺言がない場合は、通常ご自身の死後、財産は法定相続分を基準に遺産分割協議によりご家族(相続人)に分けられますが、遺言があれば被相続人の意思に基づき財産の分割を行うことが可能になります。一般的には、特定の相続人に財産を渡したい、内縁の配偶者など法定相続人にはならない人に財産を渡したい、死後の家族の紛争等を回避したい、不動産等分割が難しい財産がある等などの場合、遺言書を作成されるケースが多いようです。近年では遺言書を作成される方は増加傾向にあり、2024年には15万件(家庭裁判所での検認件数+公正証書遺言の年間作成件数)の遺言書が作成され、おおよそ亡くなった人の10人にひとりが遺言書を準備している計算になるようです。

民法では遺言の方式として普通方式の遺言、特別方式の遺言が定められています。普通方式の遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3通りの方式があります。特別方式の遺言は死亡の危急に迫った者の遺言、船舶遭難者の遺言など、まさに特別な状況での遺言のルールとなっています。ここでは、普通方式の遺言についてご説明したいと思います。

自筆証書遺言

遺言者が遺言書の全文を自筆で作成する方式です。特別な手続きが不要、低コスト、第三者に内容を知られずに作成できるなどのメリットがあります。自筆証書遺言を作成する場合、遺言者は、遺言の全文、日付を自署し、署名・押印を行います。なお、財産目録を添付する場合は、目録の作成はパソコンでの作成が可能です。自筆証書遺言の場合は証人は不要です。また自宅保管もできますが、効力をもたせるためには家庭裁判所の検認が必要となります。2020年から法務局による自筆証書遺言保管制度が始まっており、これを利用することも可能です。費用は発生しますが、安全性も高く、裁判所の検認も不要となります。

公正証書遺言

公証人が遺言者の口述を筆記し、公正証書として遺言書を作成する方式です。厳格な手続き、専門家の介在などで、確実な遺言書の作成が可能です。また複雑な内容の遺言にも対応しやすく、遺言書原本が公証役場で保管されるため、安全性や証拠能力が非常に高いことが特徴です。ただし、手続きのための費用や時間がかかるというデメリットもあります。遺言者は証人2人の立ち合いのもと公証人に遺言内容を話し公証人がそれを書き留める形で遺言書の作成が行われます。遺言者と証人は、遺言内容を確認の後、署名・押印を行います。

秘密証書遺言

遺言者が遺言書を作成の後封印、公証人がそれを確認・証明する方式です。遺言者は、遺言の全文、日付を記載し、署名・押印の後、遺言書を封筒にいれ封印します。2人以上の証人が必要です。遺言の内容を秘密にできる、自筆ではなく代筆・パソコン作成も可能などのメリットがあります。また公証人の確認があるため、自筆証書遺言より厳格性を保てます。公正証書遺言と比べた場合は遺言の作成にかかる費用・時間が少ないというメリットもあります。一方で、一定の方式に従いご自身で作成するため不備による無効リスクや自身で遺言書保管を行う必要があるため紛失リスク等も考えられます。また、自筆証書遺言と同様、効力をもたせるためには家庭裁判所の検認が必要となります。

以上、普通方式の遺言、3つの方式のご説明でした。私自身も現在遺言書の準備を検討中、近々作成しようと思っております。私の場合は、自筆証書遺言を作成し保管制度を利用する予定です。