自筆証書遺言書保管制度について

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自筆証書遺言書保管制度について、そのメリットや手続き方法をご説明

前回の記事では自筆証書遺言についてご説明させて頂きましたが、今回は、その際に少しふれました自筆証書遺言書保管制度につきまして、その概要をご説明いたします。

前回の記事はこちらです。

自筆証書遺言について
自分で書ける「自筆証書遺言」の書き方と基本ルールを解説。手軽な反面生じる無効や紛失等のデメリット対策から作成の流れまで網羅しました。法務局の遺言書保管制度や遺留分の注意点など、相続トラブルを防ぎ確実な遺言を残すためのガイドです。

自筆証書遺言書保管制度とは?

自筆証書遺言書保管制度は公的機関(法務局)が提供している遺言書の保管制度です

自筆証書遺言書保管制度は、ご自身で作成した自筆証書遺言書を公的機関(法務局)に保管していただくことができる制度です。2020年(令和2年)から運用が始まっています。前回の記事でご説明しました自筆証書遺言のデメリットの多くを補うことができる制度となっており、自筆証書遺言書の作成を考えていらっしゃる方、あるいは作成されて自宅等に保管されている方は、ぜひ活用をご検討いただきたい制度です。

自筆証書遺言書保管制度の主なサービス

  • 法務局で遺言書を保管いただけます
  • 保管した遺言書の閲覧が可能です
  • 遺言者の死亡時に相続人に遺言書の保管がある旨が通知されます
手数料は?

まず、気になる利用費用(手数料)は?

申請は遺言書1通につき3,900円です。安心して利用できる金額ですね。納付は収入印紙で行います。
収入印紙は遺言書保管所の庁舎内で購入可能です(もちろん郵便局等で購入し持参してもOKです)

制度を利用するどのようなメリットがあるのか?

自筆証書遺言書保管制度を利用すると、自筆証書で遺言を行う場合のリスクが、多くのケースで解消できます

  • 保管申請時に民法の定める自筆証書遺言の形式に適合するかについて外形的なチェックが受けられます。これにより相続時の遺言書無効リスクを低減することが可能です。(リクスがなくなるわけではありません)(注意)保管された遺言書の有効性を保証するものではありません
  • 遺言書が公的機関に保管されるため、その後の紛失や改ざんのリスクがなくなります。また、遺言者死亡時には、相続人に遺言書がある旨通知されるため、原則未発見リスクも回避できます。
  • 遺言書は遺言者死亡後50年間(画像データは150年間)という長期間の管理が行われます。
  • 家庭裁判所における検認が不要になります。(本来、自筆証書遺言書は遺言書が見つかった後、家庭裁判所における検認が必要)

自筆証書遺言書のデメリット/リスクをかなりの範囲で改善できる制度です。デメリットと言えば、3,900円の費用と法務局に行かなければならないことでしょうか?そう考えるとメリットの方がとても多い制度であると言えます。

自筆証書遺言書保管してもらうための手続き

自筆証書遺言書を法務局で保管してもらうためには?手続きの進め方は?必要書類は?

①自筆証書遺言書を作成する

まずはご自身で自筆証書遺言書を作成することからスタートです。自筆証書遺言書は民法上特別な様式は決まっていませんが、保管制度を利用する場合には一定の様式指定(ルール)がございます。従いまして、この様式に従い遺言書を作成する必要がございます。詳細は自筆証書遺言書保管制度|法務省のサイトに掲載されていますので、それを確認しながら遺言書を作成してください。(民法上定められているルールについても記載がございます)

03遺言書の様式等についての注意事項|法務省 自筆証書遺言書保管制度 

②保管の申請を予約する

申請には予約が必要です。ご自身が利用する遺言書保管所(法務局)を決めた後、その保管所に訪問予約を行います。

保管所の決め方

  • 遺言者の住所地を管轄する遺言書保管所
  • 遺言者の本籍地を管轄する遺言書保管所
  • 遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所

07 管轄/遺言書保管所一覧 | 法務省 自筆証書遺言書保管制度

※予約はインターネットでも可能です。 法務局手続案内予約サービスの専用サイト

【法務局手続案内予約サービス】ポータル:ポータル

③遺言書保管所を訪問し申請する

②で予約した日時に遺言書保管所まで出向き申請を行います。

持参するもの

持っていくもの   補足・注意事項
遺言書ホチキス止めなし 封筒不要
保管申請書事前に保管申請書を記入し持参 様式をこちらからダウンロードし印刷の上記入
遺言書の保管申請書|法務省 自筆証書遺言書保管制度 
添付書類住民票の写し等(原本)
本籍及び筆頭者の記載入りであって、マイナンバーや住民票コードの記載のないもの
身分証明書運転免許証、マイナンバーカード等
※顔写真要 官公署から発行されたもの
手数料3,900円(収入印紙)

通知について

遺言者の死亡後、どのように相続人に通知されるのか?

制度上、2つの通知方法が規定されています。

関係遺言書保管通知
遺言者死亡後、関係相続人等が遺言書の閲覧や遺言書情報証明書の交付を受けたとき、その他全ての関係相続人等に対して、遺言書保管官が、遺言書が遺言書保管所に保管されていることを通知します。

遺言者が指定した方への通知
遺言書保管所と戸籍担当部局との連携により、遺言書保管官が遺言者の死亡の事実を確認した場合に、あらかじめ遺言者が指定した方(3名まで指定可)に対して、遺言書が保管されている旨が通知されます。※遺言者が希望する場合に限り実施
※遺言書保管事実証明書又は遺言書情報証明書を交付した場合も指定者通知が実施されます。

●申請書にこれ↓を書いているので通知できます。「保管申請書の【指定する者に対する死亡後の通知等欄】」

補足事項

その他、自筆証書遺言書保管制度についての補足事項・注意事項

  • 遺言書の保管の申請ができるのは、遺言者本人のみです。(代理人による申請や郵送による申請はできません
  • 遺言書保管所では、遺言内容に関する相談は対応していませんのでご注意ください。
    ご不明な点は、弁護士・司法書士・行政書士等の法律の専門家にあらかじめご相談ください。
  • 遺言書の閲覧や、遺言書情報証明書の交付は、全国どこの法務局でも受けられます。
    (原本の閲覧は、原本を保管している遺言書保管所のみです)
  • 遺言書に関係する以下変更が発生した場合には届け出が必要です。
    遺言者自身の氏名、出生の年月日、住所、本籍(又は国籍)及び筆頭者
    遺言書に記載した受遺者等・遺言執行者等の氏名又は名称及び住所等
    ※変更の届出は、全国どこの遺言書保管所でも手続可能です。

以上、自筆証書遺言書保管制度の概要についてご説明させていだだきました。詳細につきましては、法務省の自筆証書遺言書保管制度をご参照ください。

出典:自筆証書遺言書保管制度|法務省

繰り返しになりますが、自筆証書遺言書保管制度は、比較的容易に利用でき、自筆証書遺言のデメリットの多くを補うことができる制度です。自筆証書遺言書の作成を考えていらっしゃる方、あるいは作成されて自宅等に保管されている方は、ぜひ活用をご検討いただきたいと思います。